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再生計画の変更

 

再生計画の変更

 個人再生の申立て後,再生計画について認可され履行していたが,返済が困難になった場合,再生計画の変更をすることはできるのでしょうか。また,そもそも残額を免責してもらうことはできるのでしょうか。

 個人再生手続きでは,再生計画認可の決定があった後,やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは,再生債務者の申立てにより,再生計画で定められた債務の最終期限から2年以内の範囲で債務の期限を延長することが認められています。

 「再生契約を遂行することが著しく困難となった」とは,具体的には,弁済原資の不足のため生活費を切り詰めても弁済額を連続して維持することが困難となった場合に,この要件を満たすと解されています。

 「やむを得ない事由」とは,再生計画の作成時点では予測していなかったけれども仮に予測できていたならば毎期の弁済額をより少なくした再生計画を作成しただろうと考えられる事情をいうものと解されています。基本的には,再生債務者のコントロールが及ばない事由を想定しており,少なくとも事前に予想できた場合や再生債務者が故意に招いた場合は該当しません。具体的には,再生計画の作成時に想定していた収入が,勤務先の業績不振やリストラなどによって大きく落ち込んだ場合や,再生債務者やその家族の病気等による支出の増大がある場合に,この要件を満たすと考えられます。

 再生計画の変更は,弁済額総額の減額は認められず,2年を限度として弁済期間を延長することに限り認められます。また,住宅資金特別条項の変更を行うことはできません。

 弁済総額を減少させる再生計画に変更したい場合は,再度の再生計画の申立てを検討する必要があります。

ハードシップ免責

 再生計画の遂行が極めて困難になり再生計画の変更では対処することができない場合には,ハードシップ免責の制度があります。

 ハードシップ免責が認められる要件は,①再生債務者が,その責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となったこと,②再生計画における各債権につき,その4分の3以上の額の弁済を終えていること,③免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものでないこと,④再生計画の変更をすることが極めて困難であること,です。

 住宅資金特別条項がある場合,ハードシップ免責の効果は,担保権には効力が及ばないので,少なくとも担保でカバーされている部分は担保権者の利益が守られますが,それ以外の部分に関しては,住宅ローンについても,ハードシップ免責の効果は及びます。

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